ビジネス計数塾8期生 基礎編第7回
今回は「未来費用」という概念を学習しました。
固定費の中身を紐解くと、今期の売上を上げるためにかかる費用(現在費用)と、
来期以降の売上につなげるためにかける費用(未来費用)に分けることができます。
ここにA社とB社の2つの損益計算書があります。
A社 B社
売上 2,000 売上 2,000
費用 1,900 費用 1,900
利益 100 利益 100
これだけ見れば同じ業績に見えますが、A社の費用1,900のうち、
将来に備え、新商品の開発に200の費用をかけていたらどうでしょう。
A社 B社
売 上 2,000 売 上 2,000
現在費用 1,700 現在費用 1,900
事業利益 300 事業利益 100
未来費用 200 未来費用 0
最終利益 100 最終利益 100
A社は300の利益の中から未来のために200の投資をしたと見ることができます。
表面上は同じ損益計算書に見えますが、どちらの会社が生き残る可能性が高いかは、
このように組み替えることで明らかです。
どんなに好調な事業でも右肩上がりが続けるわけではなく、
強力なライバルの出現や技術革新などにより、やがて成熟、衰退を迎えます。
富士フイルムはデジカメの出現(技術革新)により、
フィルム事業は衰退を余儀なくされましたが、毎年2,000億円の未来費用をかけることで、
医薬品、化粧品、サプリメント事業に進出し大禍を免れました。
フィルム業界の雄、コダックが破綻したのとは対照的です。
今期の利益から未来に向けた投資をしているがどうかが、
会社の命運を左右するのです。