企業家の肖像

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"企業家の肖像"は弊社ビジネススクールやコンサルティングを通して出会った優れた企業経営者に、その経営哲学や生き方の本音をインタビュー形式でお届けする企画です。

第3回目は、大阪府寝屋川市で看板製作、看板デザインの大阪・アドプラスを運営する「株式会社アド毎広」の田中商人取締役副社長にインタビューしました。アド毎広は、創業30年の歴史を持つクリエイティブカンパニーです。 主に屋外広告看板をはじめ、店舗設計施工、デザインなどの繁盛計画に欠かせないマーケットに貢献しています。

第3回 株式会社アド毎広 取締役副社長 田中 商人

〒572-0025
大阪府寝屋川市石津元町15-15
http://www.ad-plus.jp/

Q1.田中副社長は実質的な二代目経営者ですが、現在の事業を引き継がれた経緯を教えて下さい。

田中) 私は12年前に名古屋での修行を終えて、アド毎広に帰ってきました。
創業者である父は、私が中学1年生の13歳の頃に亡くなりました。
それからは、母が代表者を務めていますが、その母から実質的な経営者として後を継いで欲しいと言われました。

石) 最初から家業を継ぐことを考えておられたのですか?

田中) いいえ、父が亡くなった後も、高校時代、大学入学当初はほとんど考えていませんでした。
私の大学時代に母親が病気になり、そのことがきっかけで自分が後を継ぐことを考え始めました。

Q2.現在のアド毎広の事業の特徴を教えてください。

田中) 当社は創業38年になります。
従業員数は現在33名です。
商売の特徴としては、お客様の商売繁盛に関わる看板やチラシ等の販促ツールのデザインと製作を基本に、その他の広告宣伝媒体の活用に至るまでを企画提案することです。

石) 私がイメージする従来の看板屋さんと比べると、随分スマートで先進的な感じがしますね。

田中) 今までの看板業は、お客様から言われたものを作るだけでした。
しかし、私はお客様の商売繁盛につながるような看板を、積極的に企画、提案することが大切であると考えています。
そのためには、看板の見せ方やその素材に至るまでを企画、提案します。
また、当然、その基本として、優れたデザイン能力が必要なことは言うまでもありません。

Q3.アド毎広の経営理念、経営で大切にしていることを教えてください。

田中) 38年前の父の代からの心得があります。
アド毎広 社員心得 「出来ないのは、やらないからであり、努力と信念が足らないからである。」
「毎広に籍を置いたものが、皆人生を勝ち得る者ではない。」
「並にすれば、並みにしかできないものである。」
という心得です。

石) 経営上、特に大切にしていることはありますか?

田中) 父が亡くなり、母が経営を引き継つぎましたが、最初は何も知らないことばかりで、回りの人に色々助けていただいた結果、現在に至っています。
父が亡くなった時、少なからず離れていかれたお客様や従業員もいました。
しかし、今も変わらずお付き合いをしてくれているお客様や従業員もいます。
現在のアド毎広があるのも、正にこの人たちのお蔭です。
本当に感謝しています。
ですから、お客様や従業員などアド毎広の商売を取り巻く全ての人に対して、常に感謝の気持ちを持つことを大切にしています。

Q4.現在の経営環境を教えてください。

田中) 私が修行から帰ってきた当時の当社の従業員の平均年齢は50歳でした。
それから、順次若い従業員を採用し、現在では平均年齢が36歳になりました。
従業員の年齢が若ければ良いというものではありませんが、事業の継続と発展を考えた場合、どうしても新しい発想や若い力が必要になります。
現在も厳しい事業を取り巻く環境を考慮しながら、本当に必要な人材確保のために、人材の入れ替えを進めています。

石) 従業員の若返りと人材のスリム化を図られている訳ですが、営業やデザイン、製作などの現場での経営課題があれば教えてください。

田中) どの部門にも共通して言えることは、人材の入れ替えを行いましたので、経験が短い人間と長い人間が同居している状態だと言う事です。
営業に関して言えば、経験が短くても、看板を売るための正しい姿勢があれば、出来ないことではありません。
但し、経験の短い人の専門知識のレベルについては若干の不安もあります。
これについては、時間を掛けながらでも、絶対に必要なレベルにまで引き上げます。
また、製作やデザインについては、従業員が若くなった分、良い意味での職人と呼べる人も少なくなったのも現実です。
しかし、このことは、当社だけではなく、世間全体に言えることだと思います。
ですから、特に工場で働く従業員には、自分の仕事にプライドを持ち、看板製作の世界をリードするくらいの心意気で経験を積んでいって欲しいと思っています。

Q5.「企業は人なり」といわれますが、田中福社長が従業員に求めている仕事に対する姿勢や考え方を教えてください。

田中)実際のところ、私もまだ経営者として完成された人間ではありませんので、従業員と互いに切磋琢磨、自己研鑽しながら日々働いているのが現状です。
敢えて言うなら、絶えずお客様にプラスαを提供する前向きな気持ちで仕事をして欲しいと願っています。
このことは、自分自身にも常に言い聞かせていることです。

石) 逆に従業員が、経営者である田中副社長に求めていることは何だとお考えですか?(笑)

田中) それを言い始めると、あまりに多すぎて長くなりそうなのですが・・・(笑)。
「もっとしっかりして欲しい。もっと真剣にして欲しい。」といったところでしょうか。
私の性格上どうも真剣にしていても真剣に見えないらしいのですが(笑) 。
ただ、真面目な話し、従業員にも自分の生活がありますから、もっとしっかりと経営の舵取りをして欲しいという願いは切実に受け止めています。

Q6.従業員やご自身の成長のために、御社として取組んでいることはありますか?

田中) 正直なところ、日々の業務に忙殺され特別なことは出来ていません。
ただ、自分たちの職場のことは、自分たちで考えるといった環境を大切にしています。
就業規則で決められているからなど、「会社が決めたことだからしょうがない」といった考え方ではなく、「自分たちで決めたことを、自分たちで守る」といった職場でありたいと思っています。
また、「給料を貰うためだけに働きに来ている」といった職場にもしたくありません。
金銭的な部分以外でも、アド毎広で働いて良かったと思える職場、そして、辞める時にもアド毎広で働いて良かったと思える職場にしたいと思っています。

Q7.尊敬する人物がいれば教えてください。

田中) 先代経営者の父を除くと、当社の得意先のガリバーインターナショナルの前社長で現会長の羽鳥兼市さんです。
お二人の息子さんを同時に代表取締役にした異色の経営者ですが、その前向きな考え方、プラス思考が大好きです。
一度倒産を経験されており、そのような逆境の時でも、前向きなプラス思考を貫く精神力の強さには頭が下がります。
経営者として、見習うべき部分が非常に多い人です。

Q8.今後の夢、目標を教えてください。

田中) アド毎広としては、「繁盛しないのは看板が悪いからだ」というくらいの責任感を持って仕事をした結果、アド毎広に関係する全てのお客様や従業員が幸せになることが夢です。
また、その夢に向かって一定の利益を出し続けながら、創業40周年、50周年の頃には、今よりも規模も内容も優れた会社になることが目標です

Q9.弊社主催エグゼクティブ・マネジメントスクールに参加した感想をお聞かせください。

田中) 今までに銀行系のセミナーなどに多く参加してきましたが、今回ほどに親身になって対応していただいたことはありません。
また、改めて経営の勉強をすることは、正直、自分には少し難しい部分もありましたが、経営者としては良い訓練になったと思っています。
そんな中、人として非常に親切に対応していただいたことには感謝しております。
また、他の参加者の方も非常に礼儀正しく色々な面で勉強になりました。

Q10.最後に、田中副社長にとって経営とは何でしょうか?

田中) 少しわかりにくい例えかも知れませんが、大きな海の中で、船に従業員とその家族を乗せて、目的地に向かって皆で力を合わせてオールを漕ぐこと、そして私はその舵取りをすることだと思っています。

本日は貴重なお話し誠にありがとうございました。

聞き手 パワーザイム株式会社
代表取締役 石光仁

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