企業家の肖像

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"企業家の肖像"は弊社ビジネススクールやコンサルティングを通して出会った優れた企業経営者に、その経営哲学や生き方の本音をインタビュー形式でお届けする企画です。

本日は、格安レンタカー事業を関西初で手がけている「株式会社ジンオート」代表取締役の原黄 紳(はらき じん)氏にインタビューします。
新車(中古自動車含む)の販売低下に伴い、トヨタをはじめメーカー各社は業績不振に悩んでいますがその裏では、カーシェアリングや格安レンタカー事業は着実に業績を伸ばしています。
不況とそれに伴う若い人たちのライフスタイルの変化がその背景にあると思うのですが、現場で陣頭指揮をとっている若い経営TOPの“ナマの意見”を聞きたいと思います。
楽しみなインタビューになりそうです。

第8回 株式会社ジンオート 代表取締役社長 原黄 紳

〒556-0022
大阪市浪速区桜川2丁目2-31 ザクロコーポレーション桜川ビル
http://www.jinauto-rent-a-car.com

石)(株)ジンオートは、レンタカー事業ですね。現在の仕事を始められたきっかけを教えて下さい。

原黄)平成15年に設立し、起業時は主に中古車の販売を行っていました。
そして、オークション会場で、成約せずに売れ残った良質な中古車が海外に輸出されていることを知り、“この中古車を格安で仕入れてレンタカーにしてみてはどうか”と思ったことがこの仕事を始めたきっかけです。
私自身が大手レンタカー会社の料金は高いと感じていましたので、“その半額で貸してみよう”と5台を仕入れてレンタカー事業をスタートしました。

石)現在のレンタカー事業の特色、サービスの内容等を教えて下さい。

原黄)一番の強みは、大手レンタカー会社の約半額でお借り頂ける料金設定です。
難波営業所 さらに、大阪市内の浪速区、平野区、難波にある3営業所のすべてが駅から徒歩5分以内と利便性にも優れています。
そして、立体駐車場を一棟借り上げて、レンタカー、駐車場管理(月極、一時預かり)と車に係る整備、洗車、点検などを一か所で行うというビジネスモデルで、難波営業所を拠点にさらに店舗を展開していきたいと思っています。
また、営業対策はネットを積極的に活用し、リスティング広告、SEO対策に力を入れて推進しています。

石)現在 人気の車種はどういうものですか。

原黄)それは、燃費の良い車ですね。例えば、トヨタの「ヴィッツ」ですが、トヨタで借りると料金は、1日8,000円~9,000円のところ、弊社では、4,620円です。
当然ですが、トヨタレンタカーならトヨタの車しか借りることができませんが、弊社はメーカーにこだわらず、安くて良質な中古車を仕入れていますから、車種の品揃えが豊富です。

石)個人・法人客の割合はどうなっていますか。

原黄)約7割は個人客です。
個人客中心ですと月毎の稼働の変動が激しく、土日に集中しますので、できるだけ長期で借りて頂ける法人客を獲得し、平日の利用を増やすことを今後の課題としています。

石)現在、所有されている車は何台ですか。また、軽は何台ですか。

原黄)合計で200台。その内、軽は約30台です。
台数が増えたことで、保険会社とタイアップして稼働率を上げるという新しい取り組みを行っています。
具体的には、200台の車の任意保険に加入するかわりに、事故が起こった際、保険会社が手配する被害者への代車を弊社に発注してもらっています。
また、点検時の代車についても以前は整備工場が手配していましたが、今は外注されるようになり、安定的な稼働が見込めるようになりました。

石)原黄社長の経営理念、または経営で大切にしていることを教えて下さい。

原黄)安心、清潔、安全な車をお貸しするということです。
これは、現場に浸透させています。

石)今は不況ですが、レンタカー及びカーシェアリングのマーケットは大変伸びていますね。この波は、今後も続くと思いますか。

原黄)はい。もっと加速していくと思います。
昨年10月のガソリン価格が高騰した際は、新規のお問い合わせが数多く有り、個人のお客様で長期レンタルに契約を変更される方が増えました。
消費者の考え方が「所有」より「レンタル」に代わってきているからです。
ガソリン代、税金、メンテナンス費用と車は一番お金のかかる消耗品ですので、今後レンタルの需要はさらに増えると思います。

石)なるほど。その大きな波に乗っていく戦略を教えて下さい。

原黄)今の店舗数では商圏エリアが狭いので、
・大阪北方面の店舗展開、
・その為の台数の確保、
・法人顧客の獲得、
今後は、この3つに力を入れたいと考えています。

石)大阪北エリアの店舗数は、どれくらいを考えておられますか。

原黄)新大阪、江坂あたりに最低でも2店舗です。
そして、台数は、300台を目標にしています。

石)御社の社員教育、研修に対する考え方をお聞かせ下さい。
社員は、何名おられますか。

原黄)アルバイトを含めて20名です。
プロの整備士2名、配送と洗車はアルバイト、窓口営業は正社員が対応しています。そして、法人開拓をする外回り営業は、私自身が対応しています。
教育については、今は、私がやってみせて、やらせて、やって・・・という状態ですので、幹部を育てる人材教育が私の課題です。

石)片腕となる候補の方は、おられるのですか。

原黄)はい。いますが、現在は日々の接客に追われていて、そこまではできていません。
これから店舗展開をしていく為には、現場の仕切りを任せられるような人材教育が必要だと思っています。

石)それでは、体制が整うまでは「トップ営業」で原黄社長がおひとりで闘っていくのですね。

原黄)はい。私が自分で現場の管理をしながら、営業もやっていきたいと思っています。

石) 社員のモチベーションを上げるために取組まれていることがあれば教えて下さい。

原黄)レンタカーの需要が伸びていることは、マスコミでも取り上げられ、社員も知っていますので、今後もさらに伸びる企業であると社員が期待を持てるような経営をすることです。
また、社員は車が好きな者ばかりですから、色々な車を見ることができるという楽しみを与えることも考えています。

石)原黄社長が尊敬する人はおられますか。

原黄)有名人では、いません。
私の会社は父が起業した会社のグループ会社ですが、現在バックグランドになる会社を切り盛りしているのは私の兄で、常に兄を見習い、尊敬しています。

石)既存の部分はお兄様が継がれて、原黄社長の事業は、社内ベンチャーのようなものだと思いますが、今後の目標について教えて下さい。

原黄)まず、車両台数を1,000台にすることです。

石)関西におけるレンタカーマーケットは、台数で言うと何台ぐらいでしょうか。

原黄)詳細は把握できていませんが、大手、中堅・中小合わせて2~3万台はあると思います。

石)料金が安いことの“マネ”をする会社が出てきた場合の競争力、“ここは負けない”というところはありますか。

原黄)レンタカー事業は、“マネ”をし難い業種だと思います。
保険、修繕費、車の保管場所に係る経費を考えると儲けが大きい商売ではありません。
これを打破する為、弊社では、先程話したように台数を増やし、それを武器に保険会社とタイアップするということを行っていますが、ひとつの体系を作るにはかなりの時間を要します。
地道な努力の積み重ねが必要ですから、簡単に“マネ”はできないと思います。

石)弊社の研修にご参加下さいましたが、ご感想をお願いします。

原黄) 私は、組織というものについてあまり深く考えていませんでしたから、セミナーに参加して「細かく分析することにより、一つの会社が出来上がる」ということを初めて理解しました。
それは、今後事業を拡大するにあたって、成功への鍵になると思います。

石)それでは最後の質問ですが、原黄社長にとって経営とは、一言で何でしょうか。

原黄)経営とは努力。
それ以外の何物でもないと思います。

本日は貴重なお話 誠にありがとうございました。

聞き手 パワーザイム株式会社
代表取締役 石光仁

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