企業家の肖像

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"企業家の肖像"は弊社ビジネススクールやコンサルティングを通して出会った優れた企業経営者に、その経営哲学や生き方の本音をインタビュー形式でお届けする企画です。

今回は、なんと親子二代にわたる登場!2008年8月1日に父君の木村秀仁氏に登場いただいたのですが、今回は、ご子息の弘紀氏にインタビューします。ヘルメット業界の雄 株式会社オージーケーカブトの若き後継者 木村部長にお話を頂戴します。

第17回 株式会社 オージーケーカブト 海外営業部 部長 木村 弘紀

〒577-0016
大阪府東大阪市長田西6-3-4
http://www.ogkkabuto.co.jp/

石)今日はよろしくお願いします!早速初めの質問なのですが、どうして事業を引き継ごうと考えたんですか?今どきは継がない人も結構いますよね。お父さんの大変な姿をみて継ぐのを嫌がるパターンが多い気がしますけど

木)僕は大学を卒業してから2年間オージーケー技研にいて、それから入社しました。以前から会社を継げというようなことは言われていたので、自然と継ぐ流れになっていましたね。兄弟もいないですし。

石)なるほど。そういうものだという風に受け入れていたんですね。では、現在の事業の内容と特色について教えてください

本社風景

木)バイクや自転車のヘルメット、それに絡む用品を売っています。創業が1982年でその頃は販売だけをやっていて、製造はOGK技研に任せていました。それから90年前後に技研の製造部門を引きついでヘルメットの製造にもかかわるようになりました。86年にヘルメットの装着義務が出来て、その時の流れに乗ったような感じです。

石)OGKカブトといえば自転車のスポーツ用ヘルメットとバイクのちょい乗り用のヘルメットですよね。そこに至る経緯はどうだったんでしょう?

木)90年代中盤くらいから前半に比べて儲からなくなってきたんですね。で、その時に他社との違いを出そうとして、レース用のヘルメットの販売に手を出したんです。当時はレース用のヘルメット販売は大手が独占していて、それまでに参入してきた他の会社は全て失敗に終わっていました。振り返りますと、この決断が結果的に大きなターニングポイントになりました。レース用のヘルメットは技術力が必要なので、それを作れる会社のヘルメット、という形でブランドに付加価値が出来たんです。知名度も上がったと思います。

石)すごいですね!開発は社内でされたんですか?

衣摺倉庫

木)はい。当時は資金繰りにも苦労したみたいです。90年後半は災難に見舞われた時期でした。中国で工場を作ったのですが、稼働後暫くして、火事でこの工場が焼け落ちてしまったんです。それで一時的にヘルメットが作れない状況になりました。

石)ええ!?それは大変ですね。どうされたんですか?

木)当時あった協力工場などに一部生産を委託するなどして、数か月を乗り切り、結果的に新規に中国で工場を立ち上げ直しました。

石)なるほど。そうやって生産機能を充実させていく一方で、レース用ヘルメットの製造に手を出すことでブランド力を高めていったわけですね。わかりました、では次に経営理念、経営で大切にしていることを教えてください

中国工場

木)社長の言葉ではあるのですが、クオリティオブハート、“心質”です。いいものを作る、お客さんに喜んでもらう、など仕事に対する向き合い方を表すものですが、どんなことにでも通じることではありますね。

石)基本ではあるけれど、大事な部分ですね。人生への向き合い方といったところでしょうか

木)ただ、全社朝礼などで訓示はしますが、普段はほとんど話題にしませんので、社内にはあまり浸透していないかもしれませんが(笑)年度指針としてのスローガン的な言葉は、全社朝礼を行う会議室の壁に高々と掲げています。(笑)

石)まぁ、技術開発の部分が強い会社ですからね(笑)分かりました、では業界の現状と今後はどうなるでしょう?

木)国内市場は縮小傾向ではあるんですが、もう少しは伸びしろがあるかなと。新規市場への展開も検討し始めています。例えば幼児用であるとか、電動自転車用であるとか

石)電動自転車用ですか?

木)やっぱり速度が結構出るので、ヨーロッパなんかでは安全性の問題がクローズアップされてきているようです。高齢者の方が乗りやすいものなので今後増えていく可能性はありますね

石)なるほど、高齢者向けですか。それは今後増える可能性がありますね

木)はい。電動スポーツバイクの値段も下がってきていますし、そういった層のニーズ・ウォンツに対応していくのは大切かなと思います。マーケットになるかはまだ分かりませんが、可能性があるので…

石)敬老の日のプレゼントにヘルメットを渡す、なんて日が来るかもしれないですね。わかりました。では次ですが、今後の経営戦略をどのようにお考えでしょう?国内はシルバー層向けの展開をしていくとして、海外ではどうでしょうか?

木)実はあまり大きいことは狙っていません。例えばヨーロッパとアメリカの市場需要の1パーセントのシェアでも実現できればいいかなと思います。たとえ1パーセントのシェアでも10万個くらいはいきますし、それで十分じゃないかと思っています。

石)海外展開の際に壁となっているのはなんでしょう?

木)僕が思っているのはスピード感ですね。納期もそうですが、対応力の弱さが一番の問題です。あとはブランド力がないだとか、中国メーカーの存在がありますが、そういった問題課題には時間をかけて取り組んでいくしかないと思っています。

石)それはしょうがない部分ですね。どうしても国内メーカーが強くなるのはありますね…。わかりました、では人材教育についてですね、考え方や特色を教えてください

木)幹部研修もやっていますし、一般スタッフの研修にも力を入れ始めています。本人の自主性を最大限に重んじて、SMBCが提供する研修に行ってもらっています。

石)なるほど!階層別に研修をしっかりやっているんですね。社員さんの平均年齢はどのくらいですか?

木)今40歳くらいですね。25歳から35歳くらいが少なくて…

石)今はどこの中小企業も平均年齢が高すぎますね(笑)仕方がないことですが、平均年齢は30歳くらいにしておかないとどうしても生産性が落ちますし、共通の課題点ですね。わかりました、では社員のモチベーションを上げるためにされていることはありますか?やっぱり一番おおきいのは賞与でしょうか

木)どうなんでしょう(笑)?僕自身、現状の体制を考え、一歩引いた立場にいますので…そういった部分は・・・

石)では、次の質問に移ります。尊敬する人は誰でしょうか?お父さんという人が多いですが…

木)そうですね(笑)個人としては尊敬する人はいない、というのがほんとのところなんですが、いいものは学んでいきたいと常々思っています。そういう意味で社長は一番学びやすい相手ですし、尊敬しているところもあります。

石)わかりました。では今後の目標を教えていただけますか?

木)会社としては、世界で一番のヘルメットメーカーだといわれることです。

石)どういう意味での一番ですか?

木)我々の力出来る事を考えると「品質」ですね。売り上げやシェアで一番になるだけなら違う方法もあると思うので。

石)品質で一番といわれるような会社にしたい、ということですね。個人の夢はどうでしょう?

木)うーん、ないですね。はやく引退したいくらいでしょうか(笑)

石)それは、あと20年くらいは無理でしょうね(笑)わかりました。では次ですが、弊社の幹部研修について感想をお願いします。

木)そうですね。人数もそんなに多くないですし、落ち着いて受けられるので、経営について自分の話をしながら他の人の話も聞ける、そういった場所はなかなかないと思うのでためになっています。

石)ありがとうございます。では最後に、経営とは何でしょうか?

木)第一義的には社員の生活の安定の為に会社を継続して存続させる事が経営だと考えています。きれいごとをいってもしかたないですし、会社を成長させて続かせていく、そういうものだと思っています。

石)ゴーイングコンサーンですね。わかりました、今日はありがとうございました!

聞き手 パワーザイム株式会社
代表取締役 石光仁

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